生物医化学研究室、大腸菌のペリプラズム空間で発現したマウス Chitotriosidase の特性解析に成功

 キチンは, N-アセチル-D-グルコサミン(GlcNAc)の重合体で,甲殻類や昆虫の外骨格,真菌の細胞壁の主要な構成成分である。ほ乳類はその分解酵素(キチナーゼ)であるchitotriosidase (Chit1)とacidic mammalian chitinase (AMCase)を発現している。Chit1 はゴーシェ病やアルツハイマー病や多くの炎症性の疾患で増加することが分かっているが,Chit1 の組織での機能や疾患との関係は不明な点が多い。我々は,Chit1の生物・医学的な役割の解明には多量の精製されたタンパク質量が必要であるため,マウスChit1 を大腸菌のペリプラズム空間にProtein A-Chit1-V5-Hisとして発現することに成功した。そして,精製したマウスChit1の基本的な性質を明らかにした。
研究成果(KIMURA)