工学院大学先進工学部 生命化学科

錯体化学研究室

複数の金属イオンの助け合いで生み出す化学

研究室の概要

キーワード 金属錯体、配位ポリマー、ボルタンメトリー、アミノ酸、チオール、電極触媒、金属超分子化学

錯体化学は、有機物と金属イオンの相関から生じる学問領域です。私たちは、複数の金属イオンを組み合わせて互いの性質を利用しあうことで、1種類の金属イオンでは得られない、特異な性質や反応性を開発することを目指して研究しています。将来的には、複雑な化学合成や化学プロセスに依存しない、ありきたりで単純な分子を、「組み合わせ」のみで制する、高機能材料の創生に寄与したいと考えています。

研究テーマ

3種類以上の金属イオンを含む錯体の機能調査

金属イオンはそれぞれ性格(物性や反応性)が異なります。生体内の酵素などは、金属イオンの特性を上手く利用して、特異な反応を触媒しています。私たちは、3種類以上の金属イオンがお互いに助け合うことで、1種類の金属イオンでは成しえなかった新しい物性や反応性が生じることを期待して、これを錯体に落とし込んで研究を進めています。

生体関連分子を配位子とした多核錯体の研究

アミノ酸はありふれた原料ですが、タンパク質酵素など複雑系の機能化を支える最も単純な構成単位であり、その潜在性は計り知れません。しかしながら、アミノ酸は複数の配位原子を有するため、単に金属イオンと反応させるだけでは、構造や組成の異なる化学種が混合して生じてしまい機能材料としては不向きです。私たちは、「アミノ酸などの単純な分子から、どこまで安定で複雑で機能的な錯体材料を開発できるか」、に興味をもって研究を進めて参りました。その結果、アミノ酸錯体として世界初となる水分解触媒能の開発など、アミノ酸金属錯体の潜在性の一端を解明しています。

3種の金属イオンを含むアミノ酸配位ポリマーの構造と結晶

3種の金属イオンを含むアミノ酸配位ポリマーの構造と結晶

指導教員

桑村 直人 准教授
専門分野
錯体化学
金属超分子化学
電気分析化学

最近の原著論文

  • Naoto Kuwamura, Asako Igashira-Kamiyama, Bull. Chem. Soc. Jpn. 96, 398 (2023)
  • Anna C. San Esteban, Naoto Kuwamura, Nobuto Yoshinari, Takumi Konno, Chem. Commun. 58, 4192 (2022)
  • Naoto Kuwamura, Takumi Konno, Inorg. Chem. Front. 8, 2634 (2021)

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