工学院大学先進工学部 生命化学科

ナノ化学研究室

ナノの世界での化学を探索する

研究室の概要

キーワード ナノピペット、ナノプローブ、イオン選択膜、強酸を使わない金ナノ微粒子作製

私たちは、ナノピペットを使った研究を行っています。ナノピペットは先端が鋭利に尖ったピペットで、特定のイオンの濃度を検知できる膜をナノピペット内部に形成することにより、ナノピペットを挿した細胞内のイオン濃度をナノスケールで観察します。また、シータ型ピペットなど様々な形状のピペットの開発にも取り組んでいます。一方で私たちは最近、強酸を使わずに海水に金を溶解させる方法を開発して、溶解して得られた塩化金酸から金ナノ微粒子の作製も行っています。

研究テーマ

ナノピペットプローブを用いたナノ化学

カリウムやナトリウムなどの特定イオンの局所検出を可能にする技術を開発しています。また、ナノピペットで高効率に分子注入を行うための要素技術開発をしています。具体的には、注入するナノピペットをガスフロー法で非破壊検査するシステムを開発しています。。

海水に溶かした金を用いた金ナノ粒子の作製

交流電気分解法で海水に金をどこまで溶かせるかをチャレンジしています。そして、金ナノ粒子を簡便かつ安価に製造する方法の開発にも取り組んでいます。

ガラス製ナノピペット先端の走査型電子顕微鏡像

ガラス製ナノピペット先端の走査型電子顕微鏡像

(左)海水に金を溶かして得られた塩化金酸⻩色溶液と副次的に得られた水酸化マグネシウム白色沈殿 / (右)得られた塩化金酸から作製した金ナノ微粒子の透過型電子顕微鏡像

(左)海水に金を溶かして得られた塩化金酸⻩色溶液と副次的に得られた水酸化マグネシウム白色沈殿
(右)得られた塩化金酸から作製した金ナノ微粒子の透過型電子顕微鏡像

指導教員

高見 知秀 教授
専門分野
物理化学
ナノバイオサイエンス
細胞工学

最近の原著論文

  • Kei Oya, Kei Aoshika, Masaki Ageishi, Hideyuki Magara, Shuichi Ogawa, Yuji Takakuwa, Tomohide Takami, Chem. Lett. 50, 191-194 (2021).
  • Tomohide Takami, Rikuto Kitamura, Takahiro Hiramoto, Shohei Oki, Kunta Yoshioka, Yoshiki Aoyama, Jpn J. Appl. Phys. 58, SIIC05 (2019).
  • 高見知秀, 表面科学, 36, No.12, 637-643 (2015).
  • Tomohide Takami, Bae Ho Park, Tomoji Kawai, Nano Convergence, 1, 17 (2014).
  • Tomohide Takami, e-J. Surf. Sci. Nanotech. 12, 157–164 (2014).

研究室HP